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[Review]ツリー・オブ・ライフ(The tree of life)

Posted on: 16/08/2011

 

監督 : テレンス・マリック

出演 : ブラッド・ピット、ショーン・ペン、ジェシカ・チャスティン

総合評価 : ★☆ 1.5/5

 
 
 
父、ブラッド・ピット!息子、ショーン・ペン!カンヌでパルムドール受賞!
なんて売り文句に誘われて観に行った人は間違いなく肩すかしを食らうので要注意な、ほぼスピリチュアルときどきBBCネイチャー・ドキュメンタリーな哲学作品でございます。噂には聞いていたし公開後の評判もまあアレなので覚悟はして行ったものの、それでもなんじゃこりゃと言いたくなるような感じでした。

 
わたしは小学校から高校までミッション系の学校に通っていたこともあり、一応聖書は一通り読んだ事があります。この作品、冒頭に旧約聖書の「ヨブ記」の引用が映し出されるんですが、もうその時点でうわあ、と思ってしまいましたね…。この映画を観て「何が言いたいのか全然わからなかった!」という方は、wikipediaあたりでヨブ記の内容について読んでみるとなんとなく納得できるかもしれません。それで作品に対する評価が変わるかどうかは別ですが。

 
イエスの生涯や教えを語る福音書がメインの新約聖書に比べて、旧約聖書は非常に難解で哲学的な内容のものが多く、その中でもヨブ記は簡潔に言えば「正しい信仰のあり方とはどういったものか」ということがテーマになっています。
映画の冒頭で「世俗に生きるか、神に委ねるか、どちらか選ばなくては」とありましたが、ヨブ記においてはサタンは前者を選び、ヨブは後者を貫き通します。映画ではここでNatureとGraceという単語を対極に持ち出してきていたので、ちょっと不自然な印象を受けたんですが。
ヨブの生き方というのは人間は魂の容れ物であるにすぎず、自分にふりかかる幸福も不幸も全て神の思し召しなのだから全て受け入れて生きていかなくてはいけない、たとえそれが死であったとしても、ということなんですよね。
この映画はある家族の生活を淡々と描きつつ、随所に広大な宇宙、自然の神秘といった美しい映像と壮大な音楽を挟んでくることによって「この世界において人間がいかに小さく、取るに足らない存在であることか」といったメッセージを伝えつつも、逆にその小さな存在同士が作り上げる小さな社会(家族)こそが人間にとっては全てであり、また生まれたばかりの小さな命の、その手足の隅々にまで神の創り出した神秘は巡らされているのである…ということも語っている、のだと、思います。たぶん。
 

とまあ、上映中も色々と「これは何かの暗示なのかな」「後になって何か語られるのかな」とか考えながら観ていたんですが、もう途中で全部投げ出しましたね。退屈すぎました。結局最後まで説明不足のままだったし、どう考えてもBBCネイチャードキュメンタリー部分長過ぎるでしょ!確かに上記したように必要なシーンではあるんだけど、予告編であれだけ「家族の物語」という印象を与えてしまった以上、あのシーンは不要だと捉える人のほうが圧倒的に多い気がします。
確かに映像はキレイなので長いだけならまだ良かったんだけど、それでもあの恐竜の描写はどうかと思いましたよ。今も変わらない大自然と滅びてしまったものの対比を描こうとしたのかもしれないけど、正直萎えます…。
キャストはね、ブラピはまだいいんですけどショーン・ペンは最後までうろちょろしているだけでかわいそうでしたね…あれで宣伝に使われるなんて…。あと三男の存在意義がまったく無かったような気がします。しかし最初からこの家族の中にたいしたドラマ性や事件などはほとんど無く、ただ「見せている」だけに過ぎないのでそのへんは別にいいのかな…うーん。
とりあえず一言で言ってしまえば「残念ながらテレンス・マリックとは気が合わん!」で片付けられる感じでした。
わたしはヨブの生き方にも賛同しかねますしね。このあたりは個々の宗教観によって違うんでしょうけど。

 
子役を含めキャスト陣の演技が繊細で、特に母親役のジェシカ・チャスティンの存在感が素晴らしかったのと、映像と音楽の美しさは良かったですが映画としては受け入れがたい崇高な芸術作品でありました。哲学的な作品が好きな人は褒め称えるのかもしれませんけど、やっぱりエンターテインメント性、ストーリー性が無いとだめですね…。終わった後は満身創痍で「いますごくトランスフォーマーがみたい!!なにも考えないで観れる映画がみたいいいい!!」と発狂しそうになりました。
ちなみに学校の授業で3回くらいメル・ギブソンのパッションを鑑賞したことがありますが、もし中高生の時にこれを見せられてたら確実に睡眠学習に陥ってただろうなー。パッションはわりとすきです。
 
 
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コメント / トラックバック2件 to "[Review]ツリー・オブ・ライフ(The tree of life)"

恐竜のシーンは必要ないと言えば必要ないですが、あれがあることでひとつ明確になることがあります。あのシーンがあることでテレンス・マリックの宗教的立ち位置がはっきりしますよ。

ぽちさん
初めまして、興味深いコメントありがとうございます。
もし差し支えなければどのような宗教的立ち位置なのかお教えいただきたく思います。
なんにせよ、映画の中で個人的な宗教観を前面に押してくる行為自体があまり受け入れられないので、結局のところテレンス・マリックのことは好きになれないままな気もします(笑)

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