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[Review]ソーシャル・ネットワーク(The Social Network)

Posted on: 20/01/2011

監督 : デヴィッド・フィンチャー

出演 : ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク

総合評価 : ★★★★☆ 4.5/5

 

 

世界中で5億人以上のユーザー数を誇る巨大なSNS「facebook」を創設したマーク・ザッカーバーグの半生をドキュメンタリー調に描いたという本作は、昨年の本国公開後の評判も中々なもので、つい最近のゴールデングローブ作品賞にも選ばれ、次はオスカーか、と囁かれている話題作である。正直予告編の段階では余り心惹かれる所もなく、トレント・レズナーが音楽に携わってるなら、くらいのノリで観に行ったのだが かなり良い意味で予想を裏切られたと言っていいだろう。

物語の主役であるfacebook創始者のマーク・ザッカーバーグを演じたジェシー・アイゼンバーグは、彼女とレストランで話す冒頭のシーンから一般人とは遠くかけ離れた所に存在する「天才」ぶりを見事に表現しきっている。そこだけでなく物語全編においてとにかく早口で人の話を聞かない、おまけに話のネタがあちらこちらへと飛んで行くといった、一目見ただけで「ああ、この人は普通の人間とは違う時間軸の中で生きてるんだな」と感じさせるような演技。好き嫌いは置いておいてとにかく引きずり込まれた。
彼女にフラれたマークはその腹いせに、2人の女学生の写真を並べてどちらが可愛いかを投票するサイトを立ち上げる。当然の如く全女生徒からは総スカンの嵐、 学校側からも観察処分を受けた彼だったが、彼と同じハーバード大に通うとある双子がサーバーダウンを起こす程のアクセス数を短時間で叩き出した彼の実力 に目をつけ、一緒にサイトを立ち上げないかと話を持ちかける。
しかしマークは双子の話に乗ったフリをしながら、彼らのアイデアを元に親友のエドゥア ルドを誘い全く別のサイト「ザ・フェイスブック」を立ち上げてしまう。当然の如く双子は激怒。更に「ザ・フェイスブック」が巨大化していくにつれ、マークとエドゥアルドの間には考え方の違いから少しずつ亀裂が生まれていく。そしてそこにナップスターの創始者であるショーン・パーカーが介入して行くことによって、その亀裂は更に深みを増していってしまう。

映画はFacebookの創設からいかにして巨大化していったかの過程と、マークが後に経験することになる2つの訴訟のパートが重なり合いながら進んで行く。正直双子の方はどうでもいいのだが、かつての親友であるエドゥアルドと机を挟んで向かい合う様子は、何とも切ない。
この映画は、SNSという近代的なツールを題材にしながらも、極めて普遍的な人間関係を描いたヒューマン・ドラマでもあった。友情、信頼関係、そこに利益が介入してきた時の脆さ・・・。マークとエドゥアルド、かつて親友だったはずの彼らの間には今、何が残っているのだろうか。

かくして、マークはfacebook の成功によって莫大な資産を手に入れた。しかし利益に興味の無いマークにとってそれが一体何だったというのか。この映画のCMでは「五億人の友人は、失うものなくして作れない」とあったが、得たモノは彼にとって無価値の物、結局彼は失っただけなのだ。ラストシーン、きっと永遠に押されることのない「承認」ボタンのクリックを待ち続ける彼の姿に、デビッド・フィンチャー監督からの痛烈な皮肉が込められているように思えた。

ここ数年で急激に普及したSNS。facebook以外にも日本ではmixi 等色々とあるが、それによって人と人との繋がりが可視化し、直接話したこともない人の情報まで見えてしまい、その人のことがわかった気になってしまう。携 帯電話の普及から始まって人と人との繋がりは現在こんなにも変化してきている。それは果たして幸せなことなのだろうか?そんな事を考えさせられる作品だっ た。

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