Strategy of…

Archive for 12月 2010

監督 : スティーブン・アンティン

出演 : クリスティーナ・アギレラ、シェール、エリック・デイン

総合評価 : ★★★☆ 3.5/5

初めてクリスティーナ・アギレラの歌声を聴いた時の衝撃はそれはもう凄まじいもので、当時中学生だったか高校生だったかの私は彼女の2ndアルバム「Stripped」を繰り返し繰り返し聴き倒していたのは懐かしい思い出。
そして2010年、そんなアギレラの映画初主演作「バーレスク」。オープニングから早速、パワフルな歌声を響かせてくれる。
物語は、アギレラ演じるアリという田舎娘が自分の歌声を武器に都会のエンターテインメント・クラブ「バーレスク」でスターダムにのし上がって行くというわかりやすいサクセスストーリー。
正直、物語は特筆すべき所が挙げられない。やれクラブの危機だやれ女同士のいがみ合いだといったお約束に次ぐお約束で、しかもどのシーンでもリアリティや危機感が全く無いものだから「その設定は必要なの??」と思う事がしばしば。
ヒール役のニッキもただ口うるさいだけで大して存在価値がわからなかったし、マーカスをニッキの恋人にした意味も微塵も感じられなかった。アリといい感じになるジャックの作曲家としてのエピソードももう少し良い生かし方はできなかったものなかと残念に思う。

しかしそんな不満さえも吹き飛ばすようなアギレラの力強いパフォーマンス!
彼女が歌うたびにぐっと心を鷲掴みにされるような心地よさ。
ステージの上できらびやかな衣装を纏い、セクシーなダンスと歌声で魅了する姿はもちろんのこと、自然体の彼女もとってもキュートで、劇中でショーンも言っていた通りまさに目が釘付けになった。
今年30になったとは思えないくらい若々しく、夢を追う少女の役がぴったりハマっていたと思う。
まさにアギレラのアギレラによる、アギレラのための映画だなあといった印象。内容的には☆2つでも、彼女の魅力によって☆4つくらいの満足度は感じられた。

突っ込みどころが多々あるのは気にせずに、ただ現実を忘れる夢のクラブ「バーレスク」に出かけるようなつもりで頭を空っぽにして観れば、華やかなステージと素晴らしい音楽の数々で満足が得られる娯楽作。
アギレラのファンならば間違いなく楽しめる作品。
トロンに引き続き、サントラが欲しくなる映画だった。

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監督 : ジョセフ・コシンスキー

出演 : ギャレッド・ヘドランド、オリヴィア・ワイルド、ジェフ・ブリッジス

総合評価 : ★★★★ 4.0/5

ここ最近忙しくしていたせいで余り映画館に足を運べず、観た作品のレビューも書けず・・・の日々でしたが、ずっと楽しみにしていた今年最後の超大作トロン!気合いを入れてIMAXシアターで鑑賞して来ました。

いやー良かった!
予想以上に満足度の高いエンターテインメント作品に仕上がってるなと感じた。
主 人公のサムは幼い頃、父親のケヴィンに彼の作り上げたコンピュータ世界についての話を聞き、いつかそのコンピュータ世界の中に自分も行ってみたいと夢見て いた。だがケヴィンはある夜、サムに「コンピュータ世界で予想もしなかった奇跡が起きた」と伝え、続きはまた明日、と言い残しそのまま謎の失踪を遂げてし まう。
そしてケヴィンの失踪から20年、サムは父の旧友であり父親代わりの存在でもあったアランに、ケヴィンからポケベルに着信があったと知らさ れる。半信半疑のまま発信源の今は使われていないゲームセンターに足を運ぶと、そこには隠された部屋があり、サムは幼い頃に夢見たコンピュータ世界の中に 足を踏み入れる事になる——。

現実世界を抜け出し、舞台がコンピュータ世界へ変わってからの映像美、世界感は隅々まで 隙のない格好良さ。だが3Dに関して言えば、単調な色調故かあまり効果は感じられず、飛び出してくるような臨場感もバトルシーンで少し感じられる程で、そ の点ではやはり「アバター」の壮大な世界感には及ばなかったか、という印象。おそらく2Dで観ても同じくらいの満足感を味わえただろう。
というわ けでこの映画の見所は3Dではなく別の所にある。サムとケヴィンの親子愛や、ケヴィンがデジタル世界の中に作り上げたもう一人の自分であるクルーとの対 立、そして現実世界に思いを馳せるヒロインのクオラ・・と、ストーリーも全く期待していなかった割にしっかりポイントを抑えていて中々良かったと思う。

しかし特筆すべきなのは何よりも音楽!全編にわたってあのDaft Punkが手掛けたという音楽を目当てにスクリーンまで足を運ぶ人は私だけではないはずだ。今回IMAXシアターにわざわざ足を運んだのも大スクリーンが目当てなのではなく、「インセプション」を鑑賞した時に驚愕した素晴らしい音響を体験するためで、その選択は大正解だったと言っていいだろう。
コ ンピュータ世界の中ではオーケストラとデジタルサウンドを組み合わせたような重厚な音楽が絶え間なく耳を刺激し、迫力のある低音が地響きのような衝撃を与 えてくれる。彼らお得意の四つ打ちサウンドももちろん登場し否応にもテンションが上がってしまう。カメオ出演していたシーンもニヤニヤしながら観てしまっ た。Daft Punkに向かって「フロアのノリがイマイチだぜ、もっとアガる曲を頼むよ」なんて!

主人公のサムを演じたギャレッド・ヘドランド、彼を助ける謎の美女クオラを演じたオリヴィア・ワイルドはトレーラーの時点で「なんかパッとしない・・」と 思っていたのを謝罪したい位の好演。特に現実世界に憧れを抱くクオラが、サムに現実世界の話を聞く時のキラキラとした顔つきや笑顔の可愛いのなんの。そし て何よりジェフ・ブリッジス!コンピュータ世界に閉じ込められて苦悩するケヴィンと、彼によって造られ、そしてまた別の苦悩を抱えているクルーの一人二役 を見事に演じていた。

なぜケヴィンは自分の作り上げた世界に閉じ込められてしまったのか?クルーがユーザー(プログラムではない、サムのような人間)を憎む理由とは?スーツの光の色が何を意味しているのか、そして幼いサムにケヴィンが話した「奇跡」とは一体何の事だったのか・・・という謎が一つずつ明らかになって行き、父親を連れて現実世界に戻ろうとするサムにケヴィンが取った最後の行動とは——。
革新のデジタル・ワールドと最高の音楽で別世界へと誘うアトラクション・ムービー。この興奮は是非、大スクリーンと大音響で楽しんで頂きたい。

しかしあんなに最先端のテクノロジー世界を舞台にしておきながら、「叩いて直す」という原始的な手法が登場してきた時には思わず吹き出してしまった。やられたよ、ケヴィン。